「大人の習い事」と聞くと、英会話やヨガ、料理を思い浮かべる人が多いかもしれません。ところが最新の調査では、「AI」が男性で1位、女性で2位に入りました。この記事では、公開されている調査データをもとに、大人の学び直しでAIがどう選ばれているのか、どんな講座を選べばいいのかを整理します。

※2026年10月時点で確認できた公開情報をもとにしています。数値はすべて出典元の発表に基づきます。

1. 「挑戦したい大人の習い事」でAIが上位に

スキルシェアサービス「ストアカ」を運営するストリートアカデミー株式会社は、毎年「挑戦したい大人の習い事ランキング」を発表しています。2025年12月18日に発表された2026年版では、AIが男女どちらでも大きく順位を上げました。

男性ランキング(上位5位)

順位ジャンル前年の順位
1位AI4位
2位英語2位
3位起業・独立ランク外
4位動画撮影・編集ランク外
5位電子工作・DIYランク外
出典:ストリートアカデミー株式会社「2026年に挑戦したい大人の習い事ランキング」

女性ランキング(上位5位)

順位ジャンル前年の順位
1位英語3位
2位AIランク外
3位占い1位
4位発酵・麹ランク外
5位ヨガ・ピラティス4位
出典:ストリートアカデミー株式会社「2026年に挑戦したい大人の習い事ランキング」

男性ではAIが前年の4位から上がり、この調査で初めて1位になりました。女性では前年のランク外から一気に2位まで上がっています。英語や占い、ヨガといった定番と並び、AIが「大人の習い事」の主要ジャンルに入ってきたことがわかります。

【調査概要】調査期間:2025年11月27日〜12月6日/方法:Webアンケート/対象:ストアカ利用者(全国の20〜70代の男女)/有効回答数:564名

※回答者はもともと学ぶ意欲のある「ストアカ利用者」です。日本の大人全体の傾向をそのまま表すものではない点に注意してください。

2. なぜいま、大人がAIを学びたいのか

「触ってみた」から「使いこなしたい」へ

ストアカはこの結果について、AIへの関心が「触ったことがある」段階から「使いこなしたい」段階に移っていると分析しています。背景に挙げているのは、2025年に生成AIが仕事の場で広く使われるようになったことです。

同社の発表と公式noteで紹介された「学びたい理由」は、大きく次の4つに分けられます。

  1. 仕事の効率を上げたい
    「仕事の業務効率化に取り組みたい」
  2. 副業や新しい収入につなげたい
    「AIを使いこなして副業に挑戦したい」。女性でも副業や新しい収入源として活かしたいという声が多いとされています
  3. キャリアの武器にしたい
    男性では、転職活動や副業で有利になりたいという意識が強いとされています
  4. 使ってはいるが、使い切れていない
    「便利だが使い切れていない」「もっと効率的な使い方を学びたい」

このほか「仕事で必須のスキルだと感じている」「時代に取り残されないために学びたい」という声も紹介されています。便利さへの期待と、置いていかれたくないという気持ちの両方が、学ぶ理由になっているようです。

使う人が1年で倍増した

国の統計でも、生成AIを使う人は急に増えています。総務省の情報通信白書によると、生成AIを使ったことがある人の割合は次のとおりです。

調査年度生成AIの利用経験がある人(20歳以上)
2023年度9.1%
2024年度26.7%
2025年度52.2%
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」「令和8年版 情報通信白書」

※2025年度の調査から15〜19歳も対象に加わり、それを含めた全体では58.8%です。前年と比べやすいよう、上の表は20歳以上の数値にそろえています。

2年前は1割に満たなかったのに、いまは20歳以上の半数以上が使ったことがある、という変化です。一方、令和7年版の白書では、使わない理由として「使い方がわからない」も多く挙がっていました。「一度は使ったけれど、仕事や暮らしにどう活かせばいいかわからない」という人が増えたことが、講座の需要につながっていると考えられます。

3. よく見かけるAI講座のタイプ

ここからは、統計ではなく編集部の整理です。社会人向けのAI講座・セミナーは、主に次の4タイプに分けられます。

タイプ内容向いている人
入門・基礎ChatGPTやClaudeなど対話型AIの基本操作、指示文(プロンプト)の書き方、注意点(情報の誤り・個人情報の扱い)まだあまり使ったことがない人
仕事の分野×AI資料作成、マーケティング、デザイン、動画編集、プログラミングなど、特定の仕事にAIを組み込む自分の仕事にすぐ使いたい人
自動化・ノーコードMakeやZapierなどのツールとAIを組み合わせ、決まった作業の流れを自動にする繰り返しの作業を減らしたい人
副業・個人ビジネスAIを使って文章・画像・動画などの制作を速くし、個人の仕事につなげる副業や独立を考えている人

ストアカの男性ランキングで「起業・独立」「動画撮影・編集」が新しく上位に入っていることを見ても、AIそのものより「AIを使って何をするか」に関心が向いていると読めます。

4. 講座を選ぶときのチェックポイント

AIの講座は増えていますが、内容や質の差も大きい分野です。申し込む前に、次の点を確かめておくと失敗が減ります。

  • 学んだあと、何ができるようになるかが具体的に書かれているか(例:「会議の議事録を5分でまとめられる」)
  • 実際に手を動かす時間があるか。話を聞くだけで終わらないか
  • 自分の仕事や暮らしの例で練習できるか。質問できる時間はあるか
  • 使うツールと費用が事前にわかるか(有料プランへの登録が必要か)
  • 情報の誤りや個人情報・著作権の扱いにも触れているか
  • 「誰でも簡単に月○万円」など、収入を約束する言い方をしていないか

AIは変化が速い分野です。いきなり長い講座を申し込むより、まずは単発のセミナーや体験講座で相性を確かめるのがおすすめです。

5. 受講料の負担を軽くできる制度

厚生労働省の教育訓練給付制度を使うと、国が指定した講座の受講料の一部が戻ってきます。2026年10月時点の公式ページによる給付の水準は次のとおりです。

区分給付率上限
一般教育訓練20%10万円
特定一般教育訓練40%(資格取得などで50%)20万円(50%の場合25万円)
専門実践教育訓練50%(資格取得などで70%、さらに賃金が上がれば80%)年間40万円(70%で56万円、80%で64万円)
出典:厚生労働省「教育訓練給付金」

すべてのAI講座が対象になるわけではありません。対象は国の指定を受けた講座だけで、雇用保険の加入期間などの条件もあります。気になる講座があれば、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で対象かどうかを調べ、手続きはハローワークで確認してください。

まとめ

  • ストアカの2026年版ランキングで、AIは男性1位・女性2位。男女どちらでも大きく順位を上げた
  • 学ぶ理由は、仕事の効率化・副業・キャリア、そして「使っているけれど使い切れていない」
  • 生成AIを使ったことがある人は、20歳以上で2年前の約1割から半数超へ
  • 講座選びは「学んだあと何ができるか」「手を動かせるか」を確かめ、まずは単発の講座から

AIは、すでに持っている仕事の経験や趣味と組み合わせることで力を発揮する道具です。気になったら、まずは近くの教室や単発のセミナーをのぞいてみてください。

参考資料

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